自分の親を、家族で見ようとしても、なかなか限界があります。今は、誰しもが仕事で忙しいのが普通なので、なかなか人間一人を介護するのも簡単ではありません。老人介護をしようとすると、大きな負担が家族にのしかかるのです。

昔のような家族構成ではない

核家族

今は、昭和の時代のような家族構成ではありません。核家族化が進み、祖父母や親戚との交流も少なくなりました。また、自分の兄弟も少なく、近所との関わりあいも減ってきているため、なかなか自分たちで介護するのが容易ではないのです。昔ならば、様々な人たちが助け合って生きていけたでしょうが、今は自分たちの生活だけでも精一杯なので、なかなか自分の親の面倒をみることができないのです。

介護は家族への負担が重くのしかかる

家族への介護負担

人間一人を介護することは容易ではありません。それこそ24時間つきっきりで面倒しなくてはいけないのです。仕事がある人が、24時間つきっきりで面倒を見ることはほぼ不可能でしょう。ましてや、体が休まず、仕事も思うようにできないということも出てきます。介護する人は、精神的にも肉体的にもかなり追い込まれることになるのです。

しかし、介護の問題は、誰かに相談できるような問題ではありません。結局、介護の大変さは、経験した人しかわからないため、苦労を分かち合うことは難しいのです。人それぞれ家庭環境が違うため、自分の苦労を話しても、なかなか理解されないでしょう。

また、自分の家族の悩みは、他の人に相談しづらいものです。弱みを見せることはなかなかできないと思うので、介護による悩みや不安は自分たちで抱え込んでしまいやすいのです。

痴呆症・徘徊による事故

痴呆症や徘徊による事故も起きています。ガスコンロの消し忘れによる火事、徘徊による交通事故など、痴呆者を放っておくと、何をするかわからないため、目が離せないのです。したがって、仕事をしていた家族も、仕事を辞めて介護に徹しなければいけなくなることもあります。介護をすることで、家族の生活も危ぶまれていくのです。

要介護人の殺害事件

また、介護生活に疲れきってしまい、家族による要介護人の殺害事件も起きています。本当に苦しいと、精神的にかなり追い詰められてしまい、家族を殺めてしまう悲しい事件も起きているのです。また、無理心中を図る事件も起きています。介護というのは、命を奪ってしまうほど、過酷な生活を強いられることがあるのです。

介護を理解していない周囲の人

介護を理解していない周囲の人間

介護をしたことがない人こそ、いろいろ言ってきたりします。自分の親なのになぜ介護できないのか、というきつい言葉を言う人もいるのです。しかし、そのようなことを言う人は、介護をしたことがない人も多いのです。また、どういう状況に置かれているのか、理解せずに、自分勝手に言ってきます。そういう言葉は聞かないことです。所詮、他人事でしかないので、他人にはわかりません。

介護は専門家に相談すべき

介護は、家族が潰れてしまう前に、まず専門家に相談すべきです。このまま介護を自分たちで行うべきなのか、それとも養護施設に預けるべきなのか、自分たちの生活も大切にしなければいけません。また、一人だけの苦労ではなく、家族にも大きな負担が伴うものなので、一人で悩まずに専門家に相談してみると良いでしょう。