遠い裁判所での簡易裁判

例えば訴えられた方が地方に住んでいる場合に、東京や大阪の簡易裁判所に行くのには、平日の仕事を休んで行くことになり、また時間節約のために新幹線で行くとなると往復で2万円近くかかることもあります。しかし、これで行くのを裁判所に出廷するのをやめてしまうと原告側の請求通りに判決される(お金を支払う)場合があります。本当は主張できることがあるのに、裁判所に行くことをしなかったあまりに、実態に即した判決がされない危険性があるのです。

では、どうすればいいのか。

まず、主張したい事実があるのならば、その事実を正確に具体的に裁判で主張する必要があり、裁判に出頭しなければいけません。少なくとも、答弁書は提出するべきです。

また、どうしても裁判所が遠くて行けない場合は、自分の住んでいるところを管轄する裁判所に裁判を移送してほしいと裁判所に申し立てることが必要です。不便な裁判所に申立をされた方は,移送を裁判所に要請することができます。裁判所としては,実際に不当な状態になっているか、移送した方が良いか、維持すべきか、を検討します。裁判所の移送を判断する基準としては、当事者双方の仕事・経済状態や育児の都合などに起因します。

ちなみに、遠い裁判所に行くための交通費や日当などは請求できません。管轄という法律のルールによって決められたことなので、違法とは言えず請求できないのです。いずれにしても、裁判所から訴状が届きましたら、まず弁護士などの専門家に相談された方がよいでしょう。