自己破産手続きが完了した場合、その後の生活にはどのような影響があるのか、詳しく見ていくことにしましょう。

自己破産は淡々と行われる

借金・キャッシング - 自己破産その後

自己破産の手続きは淡々と行われます。債務整理に詳しい専門家の場合は、手続きに慣れていると思いますので、業務的な流れで淡々と行われます。破産管財人の方も、換価処分になるもの(家も含めて)を見ていきます。そこでは、家族の思い出など関係なく、淡々と業務が流れていくのです。ですから、破産手続きが始まってしまえば、だいたい2~3ヶ月で破産手続きは完了するでしょう。

借金に追われなくなる

借金・キャッシング - 自己破産

自己破産をしてしまえば、もう借金に追われることはなくなります。破産手続き前は、取り立てに追われていたのが、嘘のように催促などもなくなります。マイホームなどに住んでいた人は、引っ越しをすると思うので、元債権者が来たりと、怖い目に遭う心配はないでしょう。もっとも破産手続きが完了すれば、もはや債務も帳消しになるわけで、取り立てなどできなくなります。

破産者は長期間借入ができなくなる

借金・キャッシング

自己破産をしたものは、ブラックリストには入り、7~10年は借入やローンなど組めなくなります。ですから、新居や車を自分名義でローンを組み、購入することはできないのです。もし、それら財産を購入したい場合は、家族や他の誰かが名義主となり、ローンを組むことになるでしょう。

子供名義で奨学金を借りれる

借金・キャッシング - 奨学金

また、奨学金は破産者ではなく、学校に通う子供本人名義で奨学金を申し込むことができます。ですから、親が破産者になっても、学費を借金することは可能なのです。

仕事仲間とは分裂する

借金・キャッシング

自己破産した後は、仕事仲間とは分裂することが多いです。特に、会社を起こしていた人は、従業員や部下と突然別れることになるでしょう。時には、罵倒を浴びせられることもあるかもしれません。これまで慕っていた部下たちが、手のひらを返したように、去っていきます。まさに、金の切れ目は縁の切れ目なのです。

破産者である元経営者を悪く言う元同僚や部下もいることでしょう。しかし、真摯に受け止めることです。会社が潰れるのは、経営者に大きな責任があります。やはり、破産者に責任があるのです。対応を変えた部下に対して怒りを感じても無意味です。全ては自分の責任です。人間関係とは所詮そういうものなのです。特に仕事の付き合いならば尚更のこと。

自己破産することで、元同僚たちとの関係性は壊れるかもしれませんが、新たにスタートしなければいけません。

自己破産後に離婚するケースも少なくない

借金・キャッシング - 自己破産の後に離婚

自己破産の後に離婚する夫婦も少なくありません。自己破産しても家族に影響はないのですが、自己破産した夫に威厳を感じられなくなり、またお金のない相手に嫌気がさして離婚する元妻も少なくありません。夫婦によっては、お金で成り立っていた関係というのもあるでしょう。夫が自己破産すれば、もうお金がないわけですから、無情にも離婚を選ぶ女性もいるのです。

特に、それまでの暮らしが贅沢だった場合、自己破産することで大きく生活環境は変わってしまうので、あまりの変わりぶりにショックを受けて、相手から離れる人もいます。

パートナーも自己破産してしまうことも

借金・キャッシング

仮に夫が自己破産しても、妻が連帯保証人になっていた場合、今度は債権者が妻に取り立てを行います。当然妻も債務返済ができず、自己破産してしまうこともあるのです。夫婦で債務を負担していた場合は、夫だけでなく、妻も自己破産するケースは少なくないのです。

愛人と逃げてしまう破産者

借金・キャッシング - 愛人と逃げる破産者

自己破産者は、借金から解放されたことからか、やけくそになり、愛人と逃亡してしまうケースもあります。それまで、家族には内緒で愛人を囲っていたのが、自己破産により隠すことができなくなり、また自己破産で借金が帳消しになることで、何かがわかり、家族を置いて愛人と共に消えてしまう破産者もいます。残された家族にとっては寝耳に水のような出来事ですが、自分勝手な破産者の場合、とことん自分勝手に家族を置いて、どこかへ消えていってしまうのです。

10年経過しても自己破産の過去から抜け出せない

借金・キャッシング

自己破産は、保証人などなっていない限り、家族には影響ないものですが、精神的にも家族に大きな傷を与えます。特に戸建てや分譲マンションに住んでいた家族は、自己破産することで家を追われ、安い賃貸住宅への引っ越しを余儀なくされます。家族が乗っていた車も失います。破産手続き前は、取り立てに追われて恐怖を感じていたかもしれません。債権者から心ない言葉を家族も浴びせられたかもしれません。

自己破産は破産者本人の責任ですが、少なからず家族も被害を受けているのです。そして、その傷は破産者が借入できる10年を経過してもなかなか癒えないのです。幸せそうな家族を見ては、「なぜうちは自己破産になり、家を追われたのか」ときっと悔やみます。また、急な環境変化に自信を憐れむことでしょう。

破産した親に対して、子供は厳しく当たるかもしれません。破産者以上に、その家族は傷ついているのです。そして、何年も立ち直れずにいるのです。

破産後の人生を豊かにするために

借金・キャッシング

自己破産よりも、破産したその後の人生こそが大切なのです。破産手続きは弁護士などに依頼すれば、意外とあっけなく手続きが完了します。しかし、その後の人生は自分たちで切り開かねばいけません。破産当時はとても辛いことだったでしょう。どん底に落ちたような気持ちになります。まさに地獄のような苦痛を強いられる日々だったでしょう。

しかし、時間と共に傷は癒してくれます。また、家族が団結する絶好のチャンスでもあるのです。これまであまり交流が多くなかった家族は、自己破産を契機にもっと会話をするべきです。その後の人生を見違えるように変えていくのは、自分たち次第なのです。ですから、自己破産後は特に家族でよく話し合うことが大切です。

気持ちを共有することが、自己破産による心の傷を癒す効果にもなります。その後の人生がどう左右するかは、家族でどう向き合うかにも関わってくるのです。繰り返しになりますが、自己破産よりも、破産後にどう考え生きるかが大切です。ぜひ家族との時間を大切にしましょう。