看護師の世界は女性が多いので、人間関係が悪化しやすいとも言われていますが、それだけではありません。看護師という職業だからこそ、人間関係が悪くなることもあるのです。

仲良しこよしでは、人の命は救えない

看護師 - 命に関わる仕事

看護師という仕事は、人の命に関わる仕事です。仲良く和気藹々と仕事をしていれば良いわけではありません。一つの判断ミスが命取りにつながります。病院内では、素早い判断力が必要とされるので、仲良く仕事をする、というスタンスでは人の命は救えないわけです。

ゆえに、先輩たちの指導も真剣で、時にはきついこともいうでしょう。先輩は、後輩のことを仕事ができない看護師という見方をしています。そうでないと、後輩をミスを自分がフォローできないからです。後輩が致命的なミスをしないように、常に目を光らせています。人の命を奪いかねない業務のため、指導も真剣なのです。

そのような現場では、後輩に好かれるような指導はしていられません。患者のために、厳しい指導になるのは、当たり前のことなのです。

新人ほど指導の意味を分かっていない

看護 - 指導で泣く

これまできついことを言われてこなかった新人看護師ほど、厳しい言葉の意味がわかりません。指導されると、自分の人格が否定されたように感じてしまい、素直に先輩からの助言を聞くことができないのです。特に、厳しい言葉ほど、なかなか自分の中で受け入れられず、ショックを受けてしまい、拒否反応が出てしまいます。先輩としては、患者の命を守るため、熱がこもった厳しい指導をしているのですが、それがなかなか後輩看護師には伝わらないものなのです。

特に世代が離れている場合は、なおさら指導がうまく伝達できないこともあります。先輩が40代で後輩が20代の場合、あまりにも年齢がかけ離れているために、指導してもなかなかうまく伝わらないのです。言葉の表現の仕方も、世代で違うでしょうし、生きてきた環境も違うため、どうしても世代間のギャップが生まれてしまうのです。

単に嫌味を言われている場合も

看護師 - 嫌味

また、後輩や患者のためを思った指導ならば良いのですが、性格が悪い先輩になると、後輩の足を引っ張ろうとして、嫌味を言ってくる先輩もなかにはいます。患者のことも考えず、単に後輩のやる気を無くさせるようなきついことをいう先輩もいます。そのような言葉を浴びせられ続けると、後輩自身の精神や肉体が疲労しきってしまいます。

ですから、先輩の言葉の意味を知ることが大切です。それは患者を守るために出た言葉なのか、もしくは、妬みや恨みから出ている言葉なのかを、よく見分けるようにしましょう。

病院内には緊張が必要ということ

看護師

いずれにしても、人の命に関わる医療施設では、ある程度の緊張感が必要なのです。のびのび仕事ができる場所ではありません。緊張感がないとミスをします。そして、そのミスは人の命を奪うミスにもなりかねません。もともと病院に来る患者さんは、体の悪い方ばかりです。少しのミスが、致命傷になることは十分あります。

そのような環境下で、後輩看護師の心情ばかり気遣ってはいられないのです。患者の命を助けるために、常に最新の注意を払いながら、仕事をする必要があるでしょう。人間関係が悪化するのは、先輩が単に嫌味を言っていたり、後輩の助言の受け取り方に原因があるのかもしれません。もちろん先輩も後輩がわかるように指導するのが重要ですが、やはり先輩も人間なので、すべての先輩が的確に指導できるわけではないのです。言われた後輩がうまく解釈する必要もあるでしょう。

また、よっぽど人間関係が悪化してしまった場合は、転職ということも考えられるでしょう。環境が変われば、状況も大きく変わるかもしれません。ただ、なぜ人間関係が悪化しているのか、今一度考えて見るべきです。仕事ができるようになれば、改善されるのであれば、そのまま続けてみても良いでしょう。単に相手の嫌がらせを受けているならば、転職を考えるのも一つの方法です。