Coincheck(コインチェック)にとっても、Coincheck(コインチェック)ユーザーにとっても、忘れられない日になるであろう、2018年1月26日金曜日。Coincheck(コインチェック)から、約580億円相当のNem(ネム)が流出した。

Coincheck(コインチェック)、Nem(ネム)が約580億円盗まれる

事件前日なんて、ビットコインの取引可能価格をツイートして、いつものように安定した運営だった。しかし、事件は突然発生する。

突然、Coincheck(コインチェック)でNem(ネム)の入金ができなくなる。この時は、まだ大したことがない、システムトラブルだろうと誰もが思ったはず。

しかし、次第に雲行きが怪しくなりはじめ、ツイッターがざわつき始める。

そうこうしているうちに、Coincheck(コインチェック)でのNem(ネム)の入金、出金、売買が停止になり、いよいよ大問題い発展する。

さらには、Coincheck(コインチェック)で扱う、全通貨の出金が停止となる。

そして、26日24時(27日土曜日0時)に、Coincheck(コインチェック)が緊急記者会見を開始。Coincheck社長の和田晃一良氏が何もしゃべらないと記者から突っ込みが入る。かなり手厳しい質問が、Coincheck(コインチェック)陣営に飛ぶ。1時間以上に及ぶ記者会見で、困惑の色を隠せない、トップ陣営。

そして、この和田社長、まだ27歳ということが発覚。主に開発に携わる。学生時代より、アプリ開発のアルバイトを経験し、また、ほぼ一人で人生のストーリー投稿サイト「STORYS.JP」を開発する。また、クックパッド主催第3回開発コンテスト24など、さまざまなハッカソンで優勝している。実は有名な人物だった。

しかし、その一方で金融知識が乏しく、疑問視する声も少なくなかった。

また、事件発覚後、Coincheck(コインチェック)は学生サークルのような集団と非難される。

さらには、コインチェックが落ちる予言をしていた先見の明を持つものがいたことも発覚する。

不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針

しかし、今回流出した5億2300万XEM、保有者約26万人に対して、日本円でコインチェックウォレットに返金することを、Coincheck(コインチェック) が発表する。約580億円相当を失いながらも、日本円で返金することに、驚く声多数。

そもそもなぜNem(ネム)が流出したのか

しかし、気になるのが、なぜCoincheck(コインチェック)でNem(ネム)が流出したかということ。26日の記者会見でコインチェック陣営は、「NEMをホットウォレットで保管していた」「マルチシグを導入していなかった」などの問題点があったことを明らかにした。

ちなみにホットウォレットとは、ネットワークに接続した状態(オンライン)で仮想通貨を保有すること。これにより、仮想通貨の流動性はますが、逆に言えば、外部から狙われやすいということも言える。一方、コールドウォレットならば、オフラインで仮想通貨を管理するので、外部アクセスにより仮想通貨を狙われる心配がない。

今回、Coincheck(コインチェック)はホットウォレット(オンライン)でNemを保管していたため、狙われた可能性が高い。また、マルチシグは、複数の秘密鍵を分散管理する運用を指し、これを行っていなかったことも、今回の事件が発生した原因と言われている。

しかし、一方でコールドウォレットとマルチシグを導入するのは、人件費ほか莫大な費用がかかるため、敬遠する取引所も少なくないという。また、NEMのハードウォレット(オフラインで仮装通貨を管理するための専用デバイス)ができたのも、2017年12月下旬ということで、Coincheck(コインチェック)も対応に遅れたのかもしれない。

また、Coincheck(コインチェック)は日本国内でも最大級の取引高を誇る、取引所なので狙われやすい状態だったのかもしれない。事実、マウントゴックス社も当時世界最大級のビットコイン取引量を誇る取引所であり、狙われた。トップランナーは常に狙われやすい状況にある。

NEMの流出先となったウォレットをマーキングして追跡開始

事件発覚後、NEMの流出先となったウォレットをマーキングして追跡開始することが発表された。これにより、盗んだNEMをどこかの取引所で換金すれば、足がつくことになり、NEMを盗んだ者も換金できない状態になっている。また、NEM財団も追跡プログラムを作成中で、NEMを盗んだハッカーを追い込もうとしている。